【田中の眼】桜花賞

NEW2021.04.10 更新
■4月11日(日)
阪神競馬場 芝1600m 定量
桜花賞(GI)



■2枠4番ソダシ
厩舎:須貝尚介(栗)
騎手:吉田隼人
馬主:金子真人ホールディングス(株)
生産:ノーザンファーム

外厩全盛の昨今、約2カ月も厩舎に置いて調整するなんて非常に珍しいと言えよう。敏感なところがあるから早目に帰厩させたという陣営の話だが、嘘ではないとはいえ本音としては半分程度ではないだろうか。自らの所有馬で血統表を埋めてしまおうかというオーナーと新たなるシステムを競馬界に定着させて飛ぶ鳥すら落とす勢いの大牧場、お互いに思うところはあるはずなのだ。少なくとも一蓮托生ではあるまい。であれば大一番でもある。色々な思惑が飛び交っていたのでは。その結論として外厩に頼らず仕上げて欲しいというオーナーサイドの意向に寄り添ったのが、この中間の今時珍しい長期在厩の理由ではなかろうか。もちろん、長期在厩が悪いということはない。かつてはこれがスタンダード、むしろ全ての記録が見れる分、個人的にはありがたいぐらい。では精査して行こう。元々が気のいいタイプで仕上がりには手間取らない。案の定、4週前には楽にトップスピードが出るまでに整ってしまう。だからこそ、1週前をいつものコースでの本負荷ではなく坂路で単走のガス抜きへと変更し対処してきた。その甲斐あって直前はリラックスした良い雰囲気に。心身共に不安は皆無。前走と遜色ないデキにあり。


■3枠5番アカイトリノムスメ
厩舎:国枝栄(美)
騎手:横山武史
馬主:金子真人ホールディングス(株)
生産:ノーザンファーム

テンションは高めで気の良いタイプ。ただ、だからといって、その気性を考慮し過ぎてソロッとしたメニューばかりにしてしまうと初戦時のように肝心のレースでスイッチが入っていないという現象が起きてしまう。通常時のテンションの高さをレース当日に引きずらない稀有なキャラクター、調教の内容がダイレクトに結果に直結する馬といって差し支えないだろう。なぜならば、近3走を見ての通り、レースに向けて積み上げるべきものさえ積み上げてやればキッチリと結果を出すのだから。そういう意味では数ある母の産駒の中でも最も母の賢さを受け継いでいる馬なのかもしれない。それでは、この中間を見ていく。大一番だけあって今回はこれまで以上に乗り込み期間を確保、内容的にも2週前には意図的に遅れさせる併せ馬で我慢を、そして1週前には早めに踏んで闘争心を刺激するなど数字以上に密度の濃いメニューを組み存分に研ぎ澄ましてきている。その集大成はやはり直前に出る。メリハリの利いた走りで颯爽とした走り、果たして、これだけ無駄なく溜めて弾けるの作業を実行できる馬が現役の競走馬に何頭いるだろうか。この操縦性の高さは間違いなく現役トップクラス。もちろん心身も抜かりなく仕上がっている。


■4枠8番メイケイエール
厩舎:武英智(栗)
騎手:横山典弘
馬主:名古屋競馬(株)
生産:ノーザンファーム

ひと叩きされてガスが抜けたのだろう。確かに、この中間の挙動は久々だった前走時よりも頭を上げて行きたがる姿はそれほど目立たず。この馬としては折り合えたと言ってよいのかもしれない。ただ、そうは言っても直前のCWコースは4F51秒3、上がり周辺のラップとしては推定でも12秒前半程度のスピードは出ていたのである。そこを多少は行きたがる程度で済んだと言われても正直、あまり大きなプラス材料とは言えない。むしろ、そこを頭を上げて嫌々状態でコントロールの利かなかった今までがどうかしていただけ。それだけ基礎スピードが高いということではあるが、相変わらずマイルの流れに対応できるほど折り合い面に進境は見られないと言うこと。おそらく今回も控える競馬を試みれば、一発で再び鞍上との喧嘩が始まるはず。そして、今度はそれでも押し切れるほど甘いメンツでもない。ではどうするか。一縷の望みとしてはハナを切ってしまうことか。幸いなことに、この中間も痛みはなく元気一杯。前述したように雰囲気も悪くはない。逃げて単騎でのマイペースが叶うなら速いとはいえオーバーペースとはなるまい。大胆不敵な横山典騎手への乗り替わりもそれが狙いなら納得の人選。


■8枠16番ソングライン
厩舎:林徹(美)
騎手:池添謙一
馬主:(有)サンデーレーシング
生産:ノーザンファーム

圧倒的な強さを見せつけて2連勝中。搭載しているエンジンに限れば、ここに入っても見劣るどころかトップクラスの可能性まであるだろう。ただ一方で現状では大きな不安を抱えていることも確か。それは集中力。圧勝の影に隠れてこそいるが、その悪癖ともいうべき習性は近2走でもシッカリと確認することができる。見直せる方は見直して見て欲しい。抜け出してからは速いものの問題はその前。自ら抜け出さないようにしているのかと思うぐらいにモタモタしているのだ。明らかに他馬を気にして集中力を欠いている。それでも、これまでは能力差で何とかなった。だが、さすがに今回は相手が違う。だからこそ、この中間はその悪癖を解消するべく熱心な調整を敢行してきた。2週前は3頭併せの真ん中に入れて擬似的に馬群の中でプレッシャーを受ける形を再現、1週前は最後まで気を抜かさぬようゴール過ぎまでビッシリと追ってくる。とにかくゴーサインが出たら最後まで全力で走り切ることを教え込んできたのだ。だが残念ながら直前ではゴール前で気を抜いて差し返されてしまう。ビシビシ乗られ仕上がりは悪くないものの、肝心の課題は残ったままと言えそうだ。


■8枠18番サトノレイナス
厩舎:国枝栄(美)
騎手:C.ルメール
馬主:(株)サトミホースカンパニー
生産:ノーザンファーム

前走時には週末もDWコースに入れてラスト重点のメニューをこなせていただけに、この中間が週1本ペースの調整へと戻ってしまったことはいささか物足りない。とはいえ、3週前には共に桜花賞へと出走する僚馬をパワーで圧倒してみせたし、2週前には年長のオープン馬を相手にまるで胸を貸すかのようなパフォーマンスを披露。極めつけは1週前、馬場の内を回っていただけに5F64秒台という数字のイメージほど立派な内容ではないが、ただゴール前で見せた切れというのは、まさしく同馬らしいナタの切れ味。勢いがつききった時のMAXスピードの到達点は、やはりとんでもないということを改めて再確認させてくれた。つまり、それだけの動きができるレベルの状態にあるのである。何なら、この中間の方が前走時以上に動けているだろう。となれば運動量を控えた理由など一つしか思いつかない。おそらく外厩で予想以上に仕上げが進んで帰ってきたのでは。テンション的に危さを抱えているタイプ、思いの他、仕上がったのも分からなくはない。だからこそ週1本ペースに抑えてバランスを取ったのでは。その甲斐あって、リキみも見せず精神的にも良好な状態。ならば何も問題はない。成長分を加味すれば逆転も十分。
 

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