【田中の眼】京成杯

NEW2021.01.16 更新
■1月17日(日)
中山競馬場 芝2000m 別定
京成杯(GIII)



■2枠2番タイソウ
厩舎:西園正都(栗)
騎手:石橋脩
馬主:中辻明
生産:山野牧場

デビュー前からCWコースでの豪快な動きが目立っていた馬ではある。とはいえ、やはり大型馬。胴長でフットワークも無駄に大きいだけに、どうしても身体を持て余しているという印象が拭い切れていなかった。それだけに、今回の中間に見せる一叩きされての良化ぶりというのは一目瞭然。バサラバサラとした緩慢な動きが嘘のように鋭さを感じさせるようになるのだから面白いもの。それは何も見た目の印象だけではない。実際に1週前に前走時の直前で目一杯に追われてマークした5F66秒後半の自己ベストをキッチリと1秒以上短縮して見せていることからも、その上昇ぶりは明らかと言えよう。その勢いに任せて直前も前走同様に再びCWコースでバキッとやるのかと思いきや、意外にも坂路で単走追いとサラッとしたメニューで済ましてくる。これは初の関東への長距離輸送を考慮してエネルギーを残すという意味と走法的に得意ではないであろう瞬発力の向上を促すという二つの目的からであろう。肉対面を鍛えるだけでなく、このようなレースへのアドバンテージとなるような工夫を施してくる辺りが、まともに走れれば、ここは勝てるという陣営の自信の表れではないだろう。


■3枠3番グラティアス
厩舎:加藤征弘(美)
騎手:C.ルメール
馬主:(株)スリーエイチレーシング
生産:ノーザンファーム

プールを併用しながらの調整というのは前走時と同様だが今回は週末も時計になるレベルで毎週動かすことができたというのが何気に大きな進歩。単純に週1本ペースと週2本ペースでは運動量そのものが大違いなのだ。それだけ僅かな期間ながらシッカリとしてきたという証と言えよう。その成果で身体の芯がシッカリとしてきたからこそ、追い日のメニューの強度も上げることができている。数字だけ見ると前回と今回でそれほど変わった印象は受けないかもしれないが、コース取りが全く違うのである。それこそ前走は極力内ラチ沿いを回ってのもの。なるべく負担をかけないようスピードに乗せる、そんな印象の調教ばかりであった。だが今回は逆。むしろ外を回らせて、より負荷をかけようという意図が丸見え。それでいて1週前に6Fから動かして3F38秒台の猛時計を力強いアクションで叩き出して見せるのだから大したもの。さすがはハーツクライ産駒ということか、右肩上がりの成長曲線を早くも見せてくれている。直前もメリハリの利いた走りで心身共に抜かりなく整っていることを猛烈にアピール。これを見ると前走は逃げて勝ったが差し切るだけの決め手もシッカリと秘めていそう。逸材と言えるだけのポテンシャルを秘めているので、先々まで要注目したい1頭だ。


■5枠6番テンバガー
厩舎:藤岡健一(栗)
騎手:戸崎圭太
馬主:(株)G1レーシング
生産:ノーザンファーム

この中間の初動は坂路で4F53秒台を単走馬なりで。ビッシリと併せ馬で追って4F52秒前半が自己ベストであることを踏まえても、帰厩後すぐにこれだけスピードに乗れるということは外厩でほぼ整え終えて帰ってきたと考えて良いだろう。そこから2週前の追い日には坂路で実戦形式の併せ馬を、そして1週前には早々とCWコースに入れての本負荷を敢行。これまで2戦でCWコースの本負荷を使用してきたタイミングは直前。それを今回は1週早めてきた。これは関東への初輸送を考慮して早目にスイッチを入れたということだろう。兄姉にズラリと気性難が並ぶ血統を見ての通り、同馬もただ幼いだけでなく、この母系独特の危さを秘めている馬。それだけに何があっても良いように用心して調整に1週の猶予を確保したといったところか。ただ、その陣営の心配は杞憂の終わったよう。むしろ思っていた以上にケロッとしていたのではないだろうか。だからこそ直前では再度1週前と同様のメニューでしっかりと負荷をかけてきている。用心に用心を重ねた結果、思っていた以上に何事もなく、ただただ中間の強度をアップ、鍛え上げての臨戦に成功。休養前以上は確実。ようやく、この一族から花開く馬が現れたかもしれない。


■7枠10番プラチナトレジャー
厩舎:国枝栄(美)
騎手:田辺裕信
馬主:嶋田賢
生産:服部牧場

今はヤンチャで済んでいるものの、このままなら気性難と呼ばれる日もそう遠くはない性格の持ち主。それだけに無理に使い込んで精神的に追い込んでしまわぬよう緩やかなローテーションを組んできているのだろう。この辺りは、さすが馬優先主義の国枝厩舎といったところか。そして、その甲斐あってか、着実に常識がかってきているのである。単純に調教の質が上がってきているのだ。これまでというのは、どちらかというと僚馬に喰らいつかすようなメニュー中心、同馬の負けん気を利用して限界値を上げるといった内容ばかり。だが、この中間からは競馬を教えるような内容が明らかに多くなっているのだ。例えば2週前は意図的に遅れさせて、ワンタイミングほど仕掛けを遅らせることを教育しているし、ここ2週も僚馬をギリギリまで引きつけた上で突き放すという限りなく実戦で求められるであろう状況を再現した内容で調教を消化。そして、これを見てるこちらが解るぐらいに綺麗に注文通りにこなせていることが素晴らしい。これだけ難度の高いメニューを何なくクリアできているのだから、操縦性アップはまず間違いないところ。既に爆発力はとんでもなかった馬。これにコントロールが加わったとなると…。末恐ろしい限り。


■8枠12番ディクテイター
厩舎:斉藤崇史(栗)
騎手:北村友一
馬主:(有)サンデーレーシング
生産:ノーザンファーム

水準の時計で一杯一杯となってしまうように、それほど調教駆けするタイプではないのだろうが、デビュー前から週2本ペースでバリバリと乗り込めているように健康面に不安のないタフなイメージのある馬。とはいえ、休み休みの起用法を見ての通り、完成にはまだまだ時間がかかりそう。鍛えられるものの器が大きすぎて満たすには、まだまだ時間がかかるといったところか。体型的にもそうだが父ルーラーシップとどことなく似た雰囲気もある馬、簡単な話が隠し切れない大物感を持っているということ。だからこそ陣営も鍛えつつも精神的に追い込み過ぎないように大事に育成してきているのでは。この中間も大まかには近2走と同様の調整。完全回復を促した後に帰厩、そこから週2本ペースでCWコースオンリーで長め中心に入念過ぎるほどに乗り込んできている。今回から変わってきたことと言えば、併せ馬で簡単に遅れなくなってきたということか。どこで力を入れるかといった競馬のコツのようなものを早くも掴んできた印象がある。頼りなかった後肢の踏み込みに分かりやすく力強さが出てきたように身体の成長も確か。経験を積みつつ着実に心身共にスケールアップ中。ここが駄目でも将来有望であることは間違いなし。

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